年末年始は12月27日~1月3日まで休診となります

[主な症状]
顔が動かしにくい、顔が歪んでいる、
顔の表情が上手く作れない、口から水が垂れる、みみの周囲が痛い、みみの周囲に水疱ができている

[主な疾患]
顔面神経麻痺 / ベル麻痺 / ラムゼイ・ハント症候群

片側の顔の麻痺

 

顔面の筋肉を動かす神経に麻痺が生じる病気です。
大きく分けて脳の病気と顔の周囲の神経の病気に分けられます。

症状としては

      • 額にしわを寄せることができない
      • まぶたが動きにくい
      • 口元が動きにくい
      • 水を飲もうとすると口から溢れる

という「動かそうとしても動かない」というのが特徴です。

主に片側に症状が出るため、違和感を覚えたり鏡を見ることで気づくことが多いです。

できるだけ早く治療を開始することで、改善する可能性が高まります。
顔の動きの悪さに気づいたらできるだけ早く受診しましょう。

頭蓋内病変による顔面神経麻痺を疑う場合は脳神経外科などの病院を紹介します。

 

主な顔面神経麻痺を引き起こす疾患

ベル麻痺

顔面神経麻痺で最も多いのがこの病気で、顔の片側の麻痺の60%以上を占めます。
ベル麻痺の原因はヘルペス系ウィルスであることが知られています。

ベル麻痺は軽い麻痺の場合自然に治ることがあります。

しかし年齢や基礎疾患によっては改善しにくい場合があるのでしっかりとした治療をおすすめしています。

ラムゼイ・ハント症候群

体の中に潜んでいた「みずぼうそう」のウィルス(VZV)が再活性化することで神経に麻痺を引き起こします。

顔の麻痺にだけでなく、耳の周囲に痛みや赤いボツボツが出ます。
さらに聞こえの悪さや、耳鳴り、めまいなどが同時に生じる場合はこれを疑います。
2022年には歌手のジャスティン・ビーバーがこの病気にかかりました。

ベル麻痺よりも治りにくいとされているので、しっかりとした治療が必要になります。

腫瘍性麻痺

耳の周囲にできものができている場合はより注意が必要です。

神経に生じる腫瘍や耳下腺にできた「がん」が原因で顔が動きにくくなっていることがあります。

耳の周囲にはれものがある場合は
神経鞘腫、耳下腺がんなどの可能性があるためすぐに受診して下さい。

顔面神経麻痺の経過

症状が出てから1週間前後は症状が悪化し続ける場合が多いです。
その後から麻痺が徐々に改善してきます。
どれだけ早い治療をおこなっても治療効果はすぐには現れません。

また、症状の回復はとてもゆっくりです。
その期間はとても長期に渡ることもあり、
最終的な改善までに改善までに数ヶ月かかる場合もあります。

 

顔面神経麻痺の治療

顔面神経麻痺にはできるだけ早い治療開始が望まれます。
可能であれば発症から3日以内、遅くとも10日以内の治療開始が推奨されています。

治療はステロイド薬、抗ウィルス薬を使用します。
またビタミン剤や細い血管の血流を促進する薬を追加します。

 

症状が高度であったり、糖尿病などの基礎疾患がある場合は入院での治療をおすすめする場合があります。