スギ花粉症に対するレーザー治療を希望する場合は、12月までに初回の受診を済ませてください。
合併症の観点から当院では2月以降のスギ花粉症に対してのレーザー治療は行っておりません。
1月に受診された場合はスギのシーズン前にレーザーを実施できない場合があります。
目次
鼻のレーザー治療について
当クリニックでは最新のCO2レーザーを使った治療を行っています
花粉症・アレルギー性鼻炎などに限らず、鼻づまり、鼻水、くしゃみに有効です。
当院でのレーザー治療の特色と安全管理
当院では視野を得るために最新の内視鏡(硬性鏡)を使用しています。
硬性鏡は鼻を手前から覗くのに比べて良好な視野を得ることができます。
鼻内の構造物をしっかり確認しながらレーザーを当てることができるので、
粘膜の奥の方まで焼き残しなくしっかりと安全に焼灼できます。
鼻粘膜レーザーの効果
レーザー照射で鼻粘膜表面を変性、収縮させます。
これにより鼻粘膜がむくみにくくなり、鼻のつまりが改善します。
さらにくしゃみや
鼻炎の3大症状は、「鼻水、くしゃみ、鼻づまり」ですが、
この中で鼻づまりはなかなか薬剤が効きにくい症状です。
さらにレーザーは鼻づまりを改善する手術の中で最も体への負担が少ないため、
薬のみで効果が不十分な場合にまず最初におすすめする治療です。
効果が得られる人の割合
鼻づまりに対しては約90%、
鼻水・くしゃみに対しては約60%の改善が期待できます。
そのため鼻レーザー治療は「鼻づまりには効果があるものの、鼻水・くしゃみについては効果が限定的である」とお伝えしています。
治療が可能な年齢
レーザー照射中の安静が保てる年齢で可能です。
経験上、8歳ぐらいからが目安ですが、6歳でも可能なお子さんはいらっしゃいます。
年齢の上限については特にありません
レーザー治療に向いている方
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- 薬で眠気や口渇などの副作用がつよい方
- 薬が嫌いな方、内服が面倒な方
- 内服や点鼻ではあまり効果がない方
- スポーツをする際などに鼻づまりで困っている方
- 鼻声を治したい方
- 市販の点鼻薬を使わないと鼻が通らなくなってしまった方
- 仕事や学業が忙しく、なかなか受診出来ない方
- 妊娠中もしくはその予定があり薬の内服を控えたい方
- 鼻づまりで口呼吸になる方
- 鼻づまりが原因となるいびき、無呼吸がある方、CPAPがうまく使えない方
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効果の持続期間
個人差はありますが、1年から2年程度効果が持続します。
(生涯効果が持続するわけではありません。)
スギ花粉症の方にとってレーザー治療のベストな時期:10月~1月上旬
効果は1年から2年は持続しますが、残念ながら半年くらいから少しずつ効果が落ち始める方もいます。
これを元に逆算すると、スギ花粉症の方は10月から12月に受けることをお勧めします。
またスギ花粉症に対するレーザー治療はスギ花粉が飛散する2月よりも前に行う必要があります。
このため遅くとも1月中旬までに行うことが重要です。
スギのシーズンが終わって症状が軽くなっているところで、
来年を見据えてレーザーを照射しておくことで次シーズンの症状が楽になります。
ただし、ブタクサなどの秋の花粉症がある場合は粘膜が落ち着いている夏頃に行う方が良い場合があります。
アレルギーの症状と鼻粘膜の状態を鑑みて実際の照射時期を決定します。
スギ花粉の時期はレーザーをおすすめしない理由
スギ花粉症に対する治療の場合は、
スギ花粉が飛散している時期にレーザー治療を行うことはお勧めしません。
スギ花粉症のシーズンでは鼻の粘膜が充血し、レーザー術後の出血リスクが上がります。
できるだけスギ花粉に暴露されていない正常に近い粘膜のときのレーザー治療が最も効果があります。
ダニ・ハウスダストの通年性アレルギーでレーザーを行う時期
ダニやハウスダストなどの通年性アレルギーや慢性的な鼻づまりの方はいつでも治療可能です。
なるべくダニやハウスダストの発生を予防しつつ、治療を受けた方がより良い効果が得られます。
ダニ・ハウスダストなどの通年性アレルギーがある方への注意点
炎症がおきているときにレーザーを照射してもあまり効果は期待できません。
常に鼻水や鼻づまりがある方は、事前に内服薬と点鼻薬を2週間以上使用して炎症を極力おさえてからレーザーを行います。
正常に近い粘膜のときのレーザー治療が最も効果があります。
レーザー治療の流れ
当院を受診してから、治療を行って改善するまでの流れを紹介します。
レーザー照射の前に必要なこと
花粉症・アレルギー性鼻炎に対してレーザー治療を希望される方は、
事前に採血などによるアレルギー検査が必要です。
アレルギーの原因がまだわかっていない方は最初にアレルギー検査をお願いしています。
過去にアレルギー検査を行ったことがある場合はデータを持参してください。
治療当日の流れ
鼻内の確認
鼻の粘膜の状態を確認し、感染や強い炎症がない状態であることを確認します。
麻酔
続いて麻酔液を浸したガーゼを鼻の中に挿入し、待合室で約20分お待ちいただきます。
レーザー照射
麻酔完了後、片方ずつ内視鏡で確認しながらレーザーで下鼻甲介という鼻のひだの粘膜を焼灼します。
粘膜が焼けるにおいがしますが、術中の出血や痛みはほとんどありません。
止血確認、帰宅
レーザー照射後、出血が無いことを確認します。
必要に応じて術後に飲む炎症止めなどを処方して終了になります。
治療にかかる時間
治療前にまず鼻の中にガーゼを入れて15~20分程度麻酔を行います。
麻酔が効いたところでレーザーで鼻の粘膜を焼きます。
レーザー照射時間は、片側5〜10分、両方で15分程度です。
麻酔などを含めた全行程で約1時間ほどです。
出血はほとんどなく、終了後すぐにご帰宅いただけます。
治療後の経過と副作用
治療後約2週間程度は一時的に鼻水・鼻づまりが悪化します。
鼻水に血が混じることもありますが多量の出血はほぼ起きません。
1週間後くらいから鼻の粘膜の表面にできた「かさぶた」が少しずつはがれて出ていきます。
術後の痛みはほとんどありませんが、3日間ほどはヒリヒリした感じがします。
術後約1週間で鼻水・鼻づまりは落ち着き始め、3〜4週間後には正常粘膜に戻ります。
術後は1週間後と1か月後に外来で経過を見ます。
あまり副作用のない方や、何度かレーザーを受けて慣れている方は再診をスキップする場合があります。
効果を維持するには1年から2年に一度レーザーを受ける必要がありますが、
2年以内の再照射であれば術後の副作用はわずかな症状で済みます。
レーザー治療にかかる費用
3割負担の方で1万円程度です。(保険適応)
これ以外に術前のアレルギー検査などの費用が別にかかる場合があります。
注意事項
レーザー治療は完全予約制です。
受診した後、手術適応を確認してからレーザーの手術枠を取る形になります。
どのタイミングでレーザー治療を行えるかは過去の治療歴、アレルギー歴、症状の強度など個々の状況により異なります。
レーザー治療を検討されている方はまず外来受診をお願いいたします。
レーザー治療は希望すれば必ず施行できるものではありません。
保険診療で行うためには手術適応を厳格に評価する必要があります。
そのため適応がないと判断された場合は手術を行わないこともあります。
手術適応の有無についてはアレルギーの有無、アレルギーの種類、投薬治療に対する抵抗性の有無、良好な医師患者関係が築けるかなど多岐にわたります。
「他院では当日やってもらえた」「他院ではアレルギー検査をしなくてもやってもらえた」などの意見が出る場合があります。
その場合は他院での治療をおすすめいたします。
レーザー後の術後出血は救急車を呼ぶレベルのものも生じる可能性があります。
これは患者さんにとって不利益となるため、当院では術後合併症のリスク低減のために厳格に手術適応を決定しています。
肥厚性鼻炎や薬剤性鼻炎はしばらく内服薬や点鼻薬を使用し、効果が無ければレーザー治療を行います。
他院で既に治療を受けている方は、今までの治療歴がわかる物(お薬手帳など)を持参していただくと早めに行うことができます。
出血傾向のある方、血液をサラサラにする薬を服用している方はレーザー治療を行うことができません。
薬剤性鼻炎などで鼻づまりが強い方は、まず鼻の粘膜の腫れをおさえる必要があります。
施術前に1〜2週間ほど薬の内服と点鼻をしていただきます。
心臓病、高血圧などの循環器系の病気、緑内障、前立腺肥大、麻酔薬に対するアレルギーがある方は必ず申告してください。
スポーツや長時間の入浴、飲酒など血圧が上がるような行為は1週間ほど控えてください。
レーザーは10歳前後から受けることができますが、
若い人ほど代謝がはやく元に戻る傾向が強いため早いと半年で効果が切れてしまう可能性があります。
鼻の穴が狭い方、鼻中隔(鼻の左右を隔てる板)が極端に曲がっている方は器具が入らないため施行することができません。
この場合は鼻中隔湾曲矯正術や下鼻甲介手術という手術が適応になります。