アレルギー検査をする理由
日本人の2人に1人はアレルギー性鼻炎を持っています。
花粉が飛びはじめて重症化する前から治療を開始することで症状をしっかり抑えることができます。
さらに特定のアレルギーの項目によっては、一般的な内服や噴霧薬以外の特殊な治療が行える場合があります。
また、食べ物のアレルギーではアナフィラキシー(命に関わるアレルギー反応)が出やすい項目もあります。
自分にどんなアレルギーがあるのかを知っていると有利に治療を進めることができます。
当院のアレルギー検査
王子くろこ耳鼻咽喉科クリニックで行うアレルギー検査には大きく分けて2つあります
① 採血を行う精密な数値がわかるタイプ
② 指先からの少量の血液で判定できるタイプ
採血を行うタイプは、アレルギーの数値が出るため各種治療の適応の有無を評価するために必要になります。
指先から少量の血液を使用するタイプは痛みがほとんどなく、採血ができないお子様でも行うことができます。
採血を行うタイプ 「RIST/ RAST」,「View39」
- 日本で一般的な花粉症・アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲンを調べるRIST/ RAST
- 食物を含めた39項目のアレルギーを一度に検査できるView39
指先からの少量の血液で行うタイプ 「イムノキャップラピッド」
スギ、ダニを含めたアレルギーについて当日に結果がわかるイムノキャップラピッド
RIST / RAST法(リスト / ラスト法)
RIST / RAST法は一般的な季節性・通年性アレルギーについてまとめて調べることができる検査です。
RIST法=アレルギー体質の判定
RIST(非特異的IgE抗体価測定)
RIST法は、血液中のすべてのIgEを計測し、「アレルギー体質」かどうかを判定します。
IgEの値が高いと「アレルギーを生じやすい」体質ということができます。
(IgEとはアレルギーの際に働く免疫抗体です)
RAST法=個々のアレルギーの判定
RAST(特異的IgE抗体価測定)
RAST法は、特定の物質に対する特異的なIgE値の計測します。
花粉やハウスダスト・食品など、
それぞれのアレルゲンごとに0~6の7段階の強度を判別し、アレルゲンを特定します。
RIST / RAST検査は、舌下免疫療法やゾレアの適応判断で必要な検査になります
(RAST検査が陰性であってもアレルギーを完全に否定することはできません。
花粉症について正確性の高い基準となる検査です。舌下免疫療法やゾレアなど各種アレルギー治療に必要になるデータです。
RIST / RAST の検査方法
血液を採取して検査を行います。
結果はおよそ1週間でわかります。
採血していただいた1週間後以降の外来で結果を説明いたします。
RIST / RASTの費用
保険適用が可能です。
3割負担:おおよそ4,000~5,000円
検査するアレルギーの個数によって費用は増減します。
アレルギー1項目に対して330円(3割負担の場合)でお好みのアレルゲンを追加できます。
View39(ビュー39)
View39は多数のアレルギー項目を一度に調べることができる検査です。
View39では即時型アレルギーを引き起こす39種類のアレルゲンそれぞれに対するIgE抗体の量を調べます。
血液中のIgE抗体の量を測定することで、
特定のアレルゲンに対するアレルギーの有無や程度を数値で知ることが出来ます。
一度の採血で多くのアレルギーの検査ができるので、
アレルギーについて広く検査したい方におすすめです。
(アレルゲン:アレルギーの原因物質)
花粉症だけでなく、食物アレルギーなど広く検査したいお子様におすすめです。
検査できる39のアレルゲン
大分類 | 項目 | 対象 |
---|---|---|
吸入 | 室内ちり | ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト |
動物 | ネコ皮膚、イヌ皮膚 | |
昆虫 | ガ、ゴキブリ | |
樹木 | スギ、ヒノキ、ハンノキ*、シラカンバ | |
イネ科植物 | カモガヤ、オオアワガエリ* | |
雑草 | ブタクサ、ヨモギ | |
真菌(カビ) | アルテリナリア、アスペルギルス、 カンジダ、マラセチア* |
|
職業性 | ラテックス |
食物 | 卵 | 卵白、オボムコイド* |
牛乳 | ミルク | |
穀類 | 小麦、そば、米 | |
甲殻類 | エビ、カニ | |
豆類 | 大豆、ピーナッツ | |
肉類 | 鶏肉、牛肉、豚肉 | |
魚類 | マグロ、サケ、サバ | |
果物 | キウイ、リンゴ、バナナ | |
その他 | ゴマ |
オオアワガエリ・・・イネ科の雑草で、日本中いたる所に生息しています。春から秋にかけて花粉を飛散させます。
イネ科の植物は痒みを伴うアレルギーを引き起こすと言われています。
マラセチア・・・人の皮膚にいる常在菌の一種です。アトピー性皮膚炎にも関係していると言われています。
オボムコイド・・・加熱した状態の卵のタンパク質です。
他の蛋白質は加熱により性質が変わるので、オボムコイドにアレルギー反応がなければ、加熱した卵は大丈夫という判断できます。
検査の方法
血液を採取して検査を行います。
結果はおよそ1週間でわかります。
採血していただいた1週間後以降の外来で結果を説明いたします。
View39の検査費用
保険適用が可能です。
3割負担:おおよそ5,000円
ImmnoCAP Rapid (イムノキャップラピッド)
指先からの採血により20分で結果がわかるアレルギー検査です。
腕からの採血が不要なので、小さなお子様でも簡単に検査できます。
指先から2~3滴の血液を採取し行うことができる検査です。
このため採血がまだできないような小さなお子様でもアレルギーの有無を調べることができます。
また検査結果は20分で判明するので当日中に結果説明をすることが可能です。
こちらの検査は注射器を使いません。
お子様でも簡単に検査ができます。
検査項目
花粉 | スギ、ブタクサ、ヨモギ、カモガヤ |
ハウスダスト | ヤケヒョウダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ |
イムノキャップラピッドの検査費用
保険適用が可能です。
- 3割負担:おおよそ3,000円