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鼻粘膜レーザー治療

「鼻づまり」に対する最も体への負担が少ない手術。

アレルギー性鼻炎・花粉症の症状の中で「鼻づまり」は内服や点鼻で抑えにくい症状です。
鼻のレーザー治療は鼻づまりを改善するもっとも体への負担が少ない治療法です。

スギ花粉症のある方への
レーザー治療は6月~翌年1月に行っています。

スギ花粉症に対するレーザー治療を希望する場合は、12月までに初回の受診を済ませてください

合併症の観点から当院では2月以降のスギ花粉症に対してのレーザー治療は行っておりません。
1月以降に受診された場合はスギのシーズン前にレーザーを実施できない場合があります

 

鼻のレーザー治療について

当院ではCO2レーザーを使った
鼻のレーザー治療を行っています。

レーザーで鼻の粘膜を焼灼することで、
粘膜の表面の性質を変化させて収縮させることで効果を得ます。

花粉症・アレルギー性鼻炎などで生じる
鼻づまりに有効です。

*鼻みず、くしゃみに対してはやや効果が落ちます

 

当院でのレーザー治療の特色と
安全管理

当院では視野を得るために
内視鏡(硬性鏡)を使用しています。

硬性鏡は鼻を手前から覗くのに比べて
良好な視野を得ることができます。

鼻内の構造物をしっかり確認しながら
レーザーを当てることができるので、
粘膜の奥の方まで焼き残しなく
しっかりと安全に焼灼
できます。

特に鼻腔のつきあたりには、
耳と喉をつなぐ重要な管の入口があります。

これを誤ってレーザーで傷つけると
中耳炎が治らなくなる場合があります。

このような重要な構造物を避けながら
後方までしっかりと処置できるのは
硬性鏡のおかげです。

 

鼻粘膜レーザーの効果

レーザー照射で鼻粘膜表面を変性、収縮させます。
これにより鼻粘膜がむくみにくくなり
鼻のつまりが改善します。
さらにくしゃみや鼻水などの花粉などの抗原に対する
アレルギー反応の軽減が望めます。

さらに鼻レーザーは鼻づまりを改善する手術の中で最も
体への負担が少ない治療法です。

そのため鼻レーザーは薬の効果が不十分な場合に
まず最初におすすめする治療です。

レーザー手術前後の実際の変化


術前の状態

鼻のヒダ(下鼻甲介)の粘膜のむくみが
非常に強く、高度な鼻づまりが生じています。

レーザー焼灼直後

鼻のヒダの内側~下面にレーザーを当てることで
粘膜が収縮しています。

術後1ヶ月の状態

焼いた粘膜が下のピンク色に戻っています。
むくみが改善した状態を保っており、
鼻づまりが改善しています。

(すべての方で同様の術後結果を約束するものではありません)

効果が得られる人の割合

鼻づまりに対しては約90%
鼻水・くしゃみに対しては約60%
の方で改善が期待できます。

そのため鼻レーザー治療は
鼻づまりには効果があるものの、鼻水・くしゃみについては効果が限定的である
とお伝えしています。

 

治療が可能な年齢

レーザー照射中の安静が保てる年齢で可能です。

経験上、8歳ぐらいからが目安です。
年齢の上限については特にありません

 

レーザー治療に向いている方

      • 薬で眠気や口渇などの副作用がつよい方
      • 薬が嫌いな方、内服が面倒な方
      • 内服や点鼻ではあまり効果がない方
      • スポーツをする際などに鼻づまりで困っている方
      • 鼻声を治したい方
      • 市販の点鼻薬を使わないと鼻が通らなくなってしまった方
      • 仕事や学業が忙しく、なかなか受診出来ない方
      • 妊娠中もしくはその予定があり薬の内服を控えたい方
      • 鼻づまりで口呼吸になる方
      • 鼻づまりが原因となるいびき、無呼吸がある方、CPAPがうまく使えない方

 

効果の持続期間

個人差はありますが、鼻レーザーの効果は
1年から2年程度効果が持続します。

ただしアレルギー症状が強い場合は
半年程度で症状が再燃してくる場合もあります。

*生涯効果が持続するわけではありません。

 

スギ花粉症の方にとってレーザー治療のベストな時期:10月~1月上旬

効果は1年から2年は持続しますが、残念ながら半年くらいで少しずつ効果が落ち始める方もいます。

そのため、スギ花粉症の方は10月から12月に受けることをお勧めします。

またスギ花粉症に対するレーザー治療はスギ花粉が飛散する2月よりも前に行う必要があります。
このため遅くとも1月中旬までに行うことが重要です。

ただし、ブタクサなどの秋の花粉症がある場合は粘膜が落ち着いている夏頃に行う方が良い場合があります。

アレルギーの症状と鼻粘膜の状態を鑑みて実際の照射時期を決定します。

 

スギ花粉の時期に
レーザー治療を行わない理由

スギ花粉症に対する治療の場合は、
スギ花粉が飛散している時期にレーザー治療を行うことはお勧めしません。

スギ花粉症のシーズンでは鼻の粘膜が充血し、
レーザー術後の出血や癒着のリスクが上がります

できるだけスギ花粉に暴露されていない正常に近い粘膜のときのレーザー治療が最も効果があります。

 

ダニ・ハウスダストの
通年性アレルギーでレーザーを行う時期

ダニやハウスダストなどの通年性アレルギーや
慢性的な鼻づまりの方はいつでも治療可能
です。

なるべくダニやハウスダストの発生を予防しつつ、治療を受けた方がより良い効果が得られます。

 

ダニ・ハウスダストなどの
通年性アレルギーがある方への注意点

炎症がおきているときにレーザーを照射しても
あまり効果は期待できません。

常に鼻水や鼻づまりがある方は、
事前に内服薬と点鼻薬を2週間以上使用して
炎症を極力おさえてからレーザーを行います。

 

レーザー治療の流れ

当院を受診してから、治療を行って改善するまでの流れを紹介します。

 

レーザー照射の前に必要なこと

花粉症・アレルギー性鼻炎に対してレーザー治療を希望される方は、
事前に採血などによるアレルギー検査の結果が必要です。

アレルギーの原因がまだわかっていない方は最初にアレルギー検査をお願いしています。

当院でのアレルギー検査の詳細

 

過去にアレルギー検査を行ったことがある場合はデータを持参してください。

 

治療当日の流れ

鼻内の確認

鼻の粘膜の状態を確認し、感染や強い炎症がない状態であることを確認します。

 

麻酔

続いて麻酔液を浸したガーゼを鼻の中に挿入し、待合室で約20分お待ちいただきます。

 

レーザー照射

麻酔完了後、片方ずつ内視鏡で確認しながらレーザーで下鼻甲介という鼻のひだの粘膜を焼灼します。

粘膜が焼けるにおいがしますが、術中の出血や痛みはほとんどありません。

 

止血確認、帰宅

レーザー照射後、出血が無いことを確認します。
必要に応じて術後に飲む炎症止めなどを処方して終了になります。

 

治療にかかる時間

治療前にまず鼻の中にガーゼを入れて15~20分程度麻酔を行います。

麻酔が効いたところでレーザーで鼻の粘膜を焼きます。
レーザー照射時間は、片側5〜10分、両方で15分程度です。

麻酔などを含めた全行程で約1時間ほどです。

出血はほとんどなく、終了後すぐにご帰宅いただけます。

 

治療後の経過と副作用

治療後約2週間程度は
一時的に鼻水・鼻づまりが悪化します。
術後2日程度は鼻水に血が混じることもありますが
多量の出血はほぼ起きません。

1週間後くらいから鼻の粘膜の表面にできた
「かさぶた」が少しずつはがれて出ていきます。
術後の痛みはほとんどありません。
術後約1週間で鼻水・鼻づまりは落ち着き始め
3〜4週間後には正常粘膜に戻ります

術後は1週間後1か月後に外来で経過を見ます。

 

効果を維持するには1年から2年に一度レーザーを受ける必要がありますが、
2年以内の再照射であれば術後の副作用はわずかな症状で済みます。

 

レーザー治療にかかる費用

術式:K331-3 下甲介粘膜レーザー焼灼術(両側)

保険点数 2,910点
自己負担額 8,730円(3割負担)

3割負担の方で1万円程度です。(保険適応)
これ以外に術前のアレルギー検査などの費用が別にかかる場合があります。

 

注意事項

レーザー治療は完全予約制です。
受診した後、手術適応を確認してからレーザーの手術枠を取る形になります。
どのタイミングでレーザー治療を行えるかは過去の治療歴、アレルギー歴、症状の強度など個々の状況により異なります。
レーザー治療を検討されている方はまず外来受診をお願いいたします。

レーザー治療は希望すれば必ず施行できるものではありません。
保険診療で行うためには手術適応を厳格に評価する必要があります。
そのため適応がないと判断された場合は手術を行わないこともあります。
手術適応の有無についてはアレルギーの有無、アレルギーの種類、投薬治療に対する抵抗性の有無、良好な医師患者関係が築けるかなど多岐にわたります。

「他院では当日やってもらえた」「他院ではアレルギー検査をしなくてもやってもらえた」などの意見が出る場合があります。
その場合は他院での治療をおすすめいたします。
レーザー後の術後出血は救急車を呼ぶレベルのものも生じる可能性があります。
これは患者さんにとって不利益となるため、当院では術後合併症のリスク低減のために厳格に手術適応を決定しています。

肥厚性鼻炎や薬剤性鼻炎はしばらく内服薬や点鼻薬を使用し、効果が無ければレーザー治療を行います。
他院で既に治療を受けている方は、今までの治療歴がわかる物(お薬手帳など)を持参していただくと早めに行うことができます。

出血傾向のある方、血液をサラサラにする薬を服用している方はレーザー治療を行うことができません。

薬剤性鼻炎などで鼻づまりが強い方は、まず鼻の粘膜の腫れをおさえる必要があります。
施術前に1〜2週間ほど薬の内服と点鼻をしていただきます。

心臓病、高血圧などの循環器系の病気、緑内障、前立腺肥大、麻酔薬に対するアレルギーがある方は必ず申告してください。

スポーツや長時間の入浴、飲酒など血圧が上がるような行為は1週間ほど控えてください。
レーザーは10歳前後から受けることができますが、
若い人ほど代謝がはやく元に戻る傾向が強いため早いと半年で効果が切れてしまう可能性があります。

鼻の穴が狭い方、鼻中隔(鼻の左右を隔てる板)が極端に曲がっている方は器具が入らないため施行することができません。
この場合は鼻中隔湾曲矯正術や下鼻甲介手術という手術が適応になります。