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鼻ポリープ切除術

薬で縮小しない鼻ポリープは外科的治療が必要です。

当院では鼻ポリープにともなう鼻づまりや嗅覚障害がある方向けに、
鼻ポリープ切除術(鼻茸切除術;内視鏡下鼻副鼻腔手術1型)を日帰りで行っております。

『鼻ポリープ』は慢性的副鼻腔炎まんせいふくびくうえん蓄膿症ちくのうしょう)に付随する一つの症状です。
別名 鼻茸はなたけとも呼ばれています。

鼻ポリープが大きくなると鼻づまりの原因となります。

もともとは鼻の中に存在しないものです。
副鼻腔炎など鼻の中の炎症が長時間持続していると大きくなってきます。

 

鼻ポリープのでき方

鼻かぜやアレルギー性鼻炎で鼻の環境が悪くなると膿のような黄色い鼻水がでて急性副鼻腔炎になります。
この急性の炎症が長引き、長期間治りきらない場合に慢性副鼻腔炎となっていきます。

副鼻腔炎があると鼻の粘膜に炎症があると“むくみ”が生じます。
この“むくみ”は長期間引かないと、自然には改善しない状態になります。
むくんだ部分がどんどん大きくなり、鼻の中に白いきのこのようなものが垂れ下がって見えるようになります。
これが『鼻ポリープ(鼻茸はなたけ』です。

つまり、鼻ポリープは鼻や副鼻腔に長期間炎症があると生じる粘膜の炎症の成れの果て・・・・・です。

 

副鼻腔炎と鼻ポリープの悪循環

鼻ポリープが一度できると鼻づまりが治りにくくなります。
長い時間をかけてできたポリープは薬の治療だけでは改善しません

またポリープによって副鼻腔の通気孔が塞がってしまうため、今まで以上に副鼻腔炎が治りにくくなります。

そのため上の図のようにポリープや副鼻腔炎がつぎつぎに悪化していく悪循環になっていきます。

以上のような理由でこの悪循環を脱するにはポリープの切除が必要となります。

 

鼻ポリープによって生じる問題

慢性副鼻腔炎になり、鼻ポリープが生じると次のような症状の原因ともなりえます。

  • 膿のような鼻水(膿性鼻汁)
  • 頻回な鼻出血
  • 後鼻漏こうびろう(喉に垂れ込む違和感)
  • いびき
  • 顔面痛・頭痛
  • 嗅覚障害
  • 口臭

 

当院での鼻ポリープ切除術

当院では鼻ポリープを切除することで鼻の通りを良くする日帰り手術を行っています。

ポリープの基部を確認し、可能な限り根本から切り取ることで空気の流れを改善させます。

麻酔は局所麻酔で行います。
そのため入院は不要で、手術後すぐに帰宅することができます

当院ではすべての行程を鼻の中から行う「内視鏡下鼻副鼻腔手術 (Endoscopic Sinus Surgery : ESS)」を採用しています。

この手術法は鼻の中で手術が完結するため外見に影響はでません
また内視鏡を使わない手術に比べて出血や術後痛みも少なく、術後の回復も早いです。

 

重度な副鼻腔炎では慢性副鼻腔炎の根治術をおすすめします

鼻ポリープ切除術は、慢性副鼻腔炎で生じた鼻ポリープによる鼻閉を一時的に改善させる手術です。
本術式では術前の術前の準備期間が短くてすむ反面、
鼻のポリープができる原因となっている最深部の炎症粘膜を排除できないため再発率が比較的高いです。

そのため鼻の状況によっては慢性副鼻腔炎の根治術式をおすすめする場合がございます。

慢性副鼻腔炎の根治術である内視鏡下鼻副鼻腔手術 III型~IV型についての詳細はこちらのページで解説しております。

手術の流れ

  • 1外来受診
    鼻の中を確認し、ポリープの有無や慢性副鼻腔炎の状態を評価します。
    自覚症状が乏しい場合でも、医師から手術をおすすめする場合もあります。
  • 2薬への反応を評価する
    紹介状がない場合は、まずは鼻づまりなどに対する投薬治療を行いその反応性を評価します。
    期間は状況によって異なりますが、最低2週間から1ヶ月程度です。
    投薬治療で効果が不十分である場合に手術の適応となります。
    (他院からの紹介状がある場合は保存治療が無効であることの証明となるため省略が可能です。)
  • 3手術日の決定
    投薬治療で改善がない場合、手術の適応となります。
    手術日程は一般外来の間で行える範囲の場合が多く、順次手術日程を調整します。
    (月曜日・火曜日の10:00~で日程調整しています)
  • 4術前検査
    CTや採血などの検査を行い日帰りでの手術が可能かについて検討します。
    内科的疾患などがあった場合は入院での手術をおすすめする場合があります。
  • 5手術当日
    鼻の麻酔 
    鼻の中に麻酔液のついたガーゼを挿入し15~20分程度安静にします。
    手術
    手術中に必要に応じて麻酔薬を粘膜に注射しながらをポリープの切除を行います。
    ポリープの切除には様々な鉗子を用いる他、
    必要に応じてポリープを自動で吸引しながら切除する『マイクロデブリッダ』という手術機器を使用する場合があります。
    帰宅
    止血を確認し、帰宅となります。
    点滴による鎮静や麻酔を行わないため、ふらつきなどもなくすぐに帰宅が可能です。
  • 6術後
    手術の程度によりますが翌日~1週間後に外来で術後の傷を評価します。
    その後はポリープ再発の可能性感染の有無痂皮(「かさぶた」や「はなくそ」)の量により、
    通院期間が前後します。
    1ヶ月程度で粘膜が安定した状態になります。

 

手術時間

鼻ポリープ切除術の手術時間は片側10~20分程度です
(出血量や鼻の狭さによって時間が前後します)

手術終了後、鼻を内側から圧迫する詰め物(スポンジ)をします。
出血がないことを確認し帰宅します。

* 術後は鼻内の処置が必要なため週に1回程度の通院が必要です。

 

鼻ポリープ切除術をおすすめする方

    • 鼻づまりが数ヶ月良くならない方
    • 匂いがわかりにくい方
    • 鼻ポリープが指摘されている方
    • 鼻ポリープに対して内服薬の効果がいまひとつの方
    • 忙しくて入院期間を取ることが難しい方
    • いきなり大きな手術は心配な方

 

手術費用

鼻茸切除術;内視鏡下鼻副鼻腔手術Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)(K340-3)

保険点数 3,600点
自己負担額 12,000円(3割負担)

(これに加えて再診料、処方料などがかかります。)

 

両側にポリープがある場合でも一度に手術することが可能です。
ただし出血などのリスクが高い場合はまず片側の手術行い、術後安定したら反対側の手術を行うこともあります。

 

重度な鼻ポリープには慢性副鼻腔炎の根治術をおすすめする場合があります

多数の鼻ポリープが見られるなどの重度な慢性副鼻腔炎の場合は、
ポリープの切除だけでは不十分な場合が多く、慢性副鼻腔炎の根治術式をおすすめする場合がございます。

慢性副鼻腔炎の根治術である内視鏡下鼻副鼻腔手術 III型~IV型についての詳細はこちらのページで解説しております。

 

 

 

副鼻腔炎の手術について迷っている方向けの記事はこちら