12月21日、22日の午前は通常の外来診療を行います。 年末年始の休診は12月27日から1月3日までとなります。

日帰り手術
12月21日、22日の午前は通常の外来診療を行います。 年末年始の休診は12月27日から1月3日までとなります。
ゾレア®は2020年に重症スギ花粉症に対して保険収載された、これまでの抗アレルギー薬とは異なる作用機序を持つ薬です。
目次
ゾレア(抗IgE抗体オマリズマブ製剤)は、重症・最重症のスギ花粉症に対する注射薬です。
ゾレアはアレルギー反応のより上流を抑えるため、アレルギー反応を根本から抑えます。
これによりくしゃみ、鼻汁、鼻づまりや、目のかゆみといったアレルギーのほぼすべての症状が改善します。
次に上げるような方にとって検討する価値の高い治療です。
花粉症の重症度は、「軽症」「中等症」「重症」「最重症」に分けられ、
「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」「1日に鼻をかむ平均回数」「鼻づまりの程度」によって判定されます。
ゾレアは次の表の「重症」、「最重症」の方に使用いただけます。
つまり
このような方が「重症」花粉症となります。
ゾレア投与前に、既存治療薬での治療、血液検査(アレルギー検査)が必要になります。
血液中の総IgE値の適応範囲:30~1,500 IU/ml
体重の適応範囲:20~150kg
ゾレアは「皮下注射」の薬剤です。
皮下注射で馴染みがあるものは「インフルエンザワクチン」です。
主に“二の腕”に注射して投与します。
(投与量によっては腹部などに打つ場合もあります。)
ゾレアの1回あたりの投与量は75mg〜600mgで、体重と血中の総IgEの値で決まります。
例えば「総IgEが80」で「体重が65kg」の方は投与量は150mgとなります。
(上の表の赤い枠に該当)
ゾレア投与開始には、
・重症花粉症の診断
・非特異的/特異的IgE抗体検査
・既存治療が効果不十分であることを確認
が必要です。
そのため治療開始には最低3回の受診が必要になります。
以下に一般的なゾレア投与までの流れを示します。
花粉症についての問診を行い、重症度を評価します。
血液検査でスギに対するアレルギーの有無と程度を評価します。(結果は約1週間後に判明します)
結果が判明するまでスギアレルギーに対して従来の治療を開始し、その効果を確認します。
これまでに治療歴がある場合はお薬手帳など投薬内容がわかるものを持参してください。
既存治療の効果を判定します。効果不十分であるかの評価を行います。
血液検査によりゾレアの投与量/投与間隔が決定します。
ゾレア投与、及び併用する抗ヒスタミン薬などの処方を行います。
その後はスギ花粉シーズン中、血液検査の結果に応じて、2週間または4週間毎に投与を行います。
投与可能な時期はスギ花粉が多く飛散する2月~5月となります。
治療の前に、総IgE値とスギ特異的IgE値を測定する必要があります。
スギ花粉に対しての値がクラス3以上であることを確認します。
また、直近の総IgE値と体重で投与量と投与間隔が決まります。
総IgE値が異常高値の場合や、スギ特異的IgE値がクラス 2以下の場合は適応となりません
投与量における薬剤費は次の表のとおりです。
たとえば
体重75kg、総IgE値が120IU/mLの方は
ゾレア1回あたりの投与量は300mgとなります。
3割負担であれば1ヶ月あたりの薬剤費は17,488円となります。
*ゾレアの投与は原則スギ花粉の飛散期間に限られているため、おおよそ2~5月に投与することができます。
そのため4週に1回ペースの投与の場合、スギの飛散シーズンに3回程度の注射が可能です。
以上から費用はゾレア®︎の薬剤費のみで1か月あたり、3割負担の方で約4500円〜69,000円かかります。
その他、診察や検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。
医療費控除、高額療養費制度、付加給付の対象になります。
自己負担が高額になる方は限度額適用認定証を申請し、年収に応じた医療費の助成を受けることができます。
加入している保険(国民健康保険、健康保険、船員保険、共済組合、後期高齢者医療制度)や、
年収により条件が異なります。
詳しくは加入している保険にお問合せください。
ノバルティス社のホームページの季節性アレルギー性鼻炎コーナーで概算費用を確認できます。
東京23区ではこれまで中学生まで医療費が無償化されておりましたが、
2023年4月より高校生まで医療費が無償となります。
(この制度には所得制限は設けられません。)
この制度を利用することで、高校受験・大学受験・資格試験などにゾレアを使用しやすくなります。
におすすめです。
*適応年齢が12歳以上のため、中学受験には対応できません。
*受験シーズンの2月に使用したい場合は遅くとも1月中に検査等の準備が必要です。
企業によっては、自己負担分を企業が負担してくれる場合があります。
「組合健保」に加入している場合は「付加給付」制度が利用できる場合があります。
付加給付の内容は各健保組合によって異なりますが
例えばある健保組合では、1か月の自己負担額の上限が20,000円とされています。
つまり、医療費がどれだけかかったとしても、
その健保組合の加入者の自己負担額は一か月20,000円までなのです。
付加給付の有無や、その自己負担額については所属する企業にお問い合わせください。
大学によっては医療費の全額~一部を負担してくれる制度があります。
学園学生健保共済会は明治大学、慶応大学などで採用されています。
また、早稲田大学では大学による医療費給付制度があります。
医療費の給費が受けられるかどうかについては所属する大学の学生生活課などにお問い合わせください。
*付加給付や、大学の共済の内容は所属する団体によって異なります。
ゾレアの開始にはWeb予約が便利です。